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全てのことを統合して同時にやるのが上達の秘訣

あるひとつのことを意識すると、
他のことが抜けてしまう。

こんな風に感じたことのある人は多いのではないでしょうか?

それは例えば、
言葉をクリアに発音しようと思うと、
サウンドが均一でなくなってしまう、とか。

響きを意識すると、
体のサポートが抜けてしまう、とか。

表現しようとすると、
テクニック的なことがおろそかになる、など。

実際、全ての要素を同時に行う、
ということはとても難しいことですが、
とても重要なキーポイントでもあります。

それはつまり、
全てのことが統合されて
ひとつのことになっていなければいけない、
ということです。

全ての要素を同時に行うことができるようになるためには、
長いプロセスが必要です。

そしてそのために必要なアプローチが、
自然なモーションを知っていくことです。

全ての要素が自然な機能に基づいたものでなければ、
それらを同時に行うことはできないからです。

意外と知られていない、
音楽家にとって大事な
モーション(動き)のお話です。

音楽にポジションはない。全てはモーション。

私たち音楽家のほとんどは、
ポジション(型)を
教わってきたのではないでしょうか?

  • 正しい姿勢
  • 正しい楽器の構え方
  • 正しいアンブシュア
  • 正しい口の開け方
  • 正しい舌の位置

こんな風に挙げたらキリがないほどに、
たくさんのポジションを
私たちは学んできてるんですよね。

このポジションこそが、
演奏をするとき、
私たちから自由を奪う原因になっていることに
ほとんどの人は気づいていません。

ポジションを学ぶということは、
静止画のように、
動きを止めてしまうことに繋がります。

まるで紙芝居のように、
ひとつひとつの絵が繋がっていかないために、
動きに制限がかかってしまいます。
それはまさにストップモーションのような状態です。

音楽家のほとんどが、
演奏のためのモーション(動き)について、
教わってきていません。

私たちは、動きのない、いわゆる静止状態を
ゼロモーメントと表現しています。

ゼロモーメントは、
ある一定のポジションに固まって
体が自然に機能しない状態、
また、呼吸が止まっている状態を
生み出してしまうことにもなります。

その結果、サウンドは生気を失い、
音楽の動きや流れまでもが
止まってしまうことになるのです。

なぜモーションが大事なのか

音楽は全てがモーションでできています。
生命力溢れるエネルギーに満ちたサウンド、
そして音楽が躍動感を持つためには、
そこに途切れることのないモーションが
存在していなくてはいけません。

そのために大切なことは、
私たち自身が自然体であることです。
自然体であるという事は、
身体が機能しているという事です。

それはつまり、
どこにも無理な力みや硬直がなく、
それでいて力強くエネルギーを開放できる状態。
筋肉が良く働き、
正しく緩むこともできる状態。

とも言えます。

  • 体の一部が機能していない。
  • 体のある一部を働かせ過ぎている。
  • ある一定のポジションに固まっている。
  • 呼吸が止まっている。

これらは全て、
私たちの自然なモーションを
歪めてしまうことに繋がります。

楽器を正しく使いこなす以前に、
頭のてっぺんから足の先まで、
私たちの体全体が、
正しく機能していなければならない
という事です。

私たちが自然な機能を果たして初めて、
身体全体を使ってサウンドを生み出すことができます。

そしてそのサウンドこそが、
表現そのものになるのです。

なぜモーションが遮断されてしまうのか?

どんなときに、
モーションや呼吸は静止してしまうのでしょうか?

  • 間違わないようにしよう!
    うまくできるかな、これ合ってる?
    なんかちょっと違う気がする
    などと余計なことを考えているとき。

サウンドを生み出すための準備は、
滑らかなモーションの中で、
流れるように行われなくてはいけません。

少しでも、邪念が混じってしまうと、
流れがスムーズではなくなってしまいます。

ちょっとした思考すらも、
体の機能に影響を及ぼしてしまいます。

  • 前もって次になにをやるのかを考えながら、
    余計な準備をしているとき。

サウンドに入る前に、
あらかじめ、ある一定のポジションにセットすることや、
準備のためにいくつかのステップを踏むように
教えられたことのある人もいると思います。

  • 眉毛をあげる。
  • 頬骨をあげる。
  • 鼻から息を大きく吸う。
  • 口を開ける。
  • 唇や舌の位置を確かめる。
  • 子音をはっきりと発音する。
  • 声を響かせる。

こんな風にたくさんのステップを
バラバラに意識している人も多いと思います。

けれどもそれらは全て、
余分な準備です。
この余分な準備が加わることで、
モーションや呼吸の流れは遮断されてしまうのです。

その結果、
私たちの身体は機能を果たすことができなくなり、
サウンドを損なわせることにつながってしまいます。

全体像を捉えるのではなく、
視野が狭くなっていると、
モーションや呼吸の自然な流れは
遮断されてしまうことになります。

モーションは自然でなければダメ。

人前でスピーチをするときを
イメージしてみて下さい。

  • 喋り始める前に、
    唇の形を整えたり、
    眉毛を引き上げたりしますか?
  • 口角を上げたり、
    頬の筋肉を引き上げたりしますか?
  • 音を立てて息継ぎをしたり、
    息を吸い込んだあと、
    息を止めたりしますか?
  • 特定のポジションで静止したりしますか?
    それらの準備を時間をかけて行ったりしますか?

想像するだけでかなり変な人ですよね。
決して自然ではありません。

スピーチに限らず、
歌うときも同様です。

  • おでこにしわが寄るほど
    眉毛を吊り上げたり、
  • 息の雑音が混ざるほどに
    鼻から息を吸い込んだり、
  • 母音によって
    唇や舌の形を変えたり、
  • 子音をはっきりと発音した後に
    母音を響かせる。

不自然だと思いませんか?

歌うときも、演奏をするときも、
基本的に全てのモーションは
私たちの普段の自然な動きが
基になっていなくてはいけません。

歌うため、演奏するためだけに、
何か特別な型があるわけではないのです。

私たちが機能するから、
歌うことも、演奏することもできるのです。

サウンドに入る前の準備に、
いくつものステップを踏んでしまうとき、
それらの動きが私たちにとって
不自然なものである場合が多いです。

自然なモーションであれば、
それらはひとつかみに
同時に行うことが可能だからです。

ひとつひとつの準備を
ひとまとめに同時に行うためには、
それらが一連の自然なモーションの中で
行われる必要があるということです。

全てをモーションの中で同時に行う。

多くの人は、
最初は簡単なところから始めて、
少しずつ難易度を上げて、
応用できるようになる。
というように、
ひとつひとつ順番に学ぶ、
という方法で教わってきたのではないでしょうか?

  • 呼吸練習
  • リップロール
  • ハミング
  • 発声練習
  • エチュード
  • 歌曲やアリア

例えばこんな風に、
別々にいろんな要素を取り出して
学んできた人も多いと思います。

けれども、ひとつひとつの要素を
別々に学んでも、
それらの要素を統合して使えなければ、
全く意味がありません。

バラバラに学んでしまうと、
実際にそれらをどうやって曲の中で使うのか、
どうやったら表現のための技術になるのか、
それらが繋がらなくなったり、
バランスが悪くなってしまいます。

確かに、いきなり最初から
一度に全ての要素を習い覚えるのは、
簡単なことではありません。

最初は、あれもこれもやらないといけない、
やることが多過ぎて整理できない、
ひとつを意識すると、
別のことが抜けてしまう。
そんな風に感じるのが普通です。

けれども全てのことは、
角度は違っても、
全てひとつのことのために存在しています。
目的はひとつだということです。

習得までには時間もかかる上に、
忍耐も必要です。
慣れるまでは、
ストレスに感じることもあるかもしれません。
けれども、ここを乗り越えると、
結果は大きく変わってきます。

同時に全てを統合して習い覚えるから、
それらは実際に使える技術、表現、知識になるのです。

最初から全てのことを統合して学ぶ
というのが正にIMAがこだわって指導している
プリンシパルでもあります。

本当の学び方は、
少しずつできるようになる、
というよりは、
気づいたらいろんなことができるようになってる、
という感覚に近いです。

これを知っておくだけでも、
粘り強く、時間をかけて
学んでいけるのではないでしょうか。

締め

誰一人として同じ人間が存在することがないように、
私たち一人一人には、
それぞれに違った『自然なあり方』が存在します。

身長も体重も骨格も、
みんなそれぞれに違います。

それがゆえに、
誰しもに当てはまるような
正しいポジション
というものは存在しないのです。

一人一人が、
自然体を取り戻し、
機能することで初めて、
その人らしいサウンドが
生まれます。

そのためには、
自然なモーションを知ること、
そしてそれら全てを同時に統合して学ぶ、
ということがキーポイントです。

あれこれ手順を踏むのではなく、
いきなり最初から全てを同時にやるのです。

第一声目のロングトーンから、
まるで楽曲の中に存在しているような、
情熱的で美しく、

表現に満ちたサウンドで始めましょう!』

これは私がいつもレッスンで言うことです。

身体全体の機能が、
完全に目覚めた状態でいなければ、
生きた音楽は生み出せない、
ということです。

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