10代の音楽家たちへ

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周りの大人や環境に、あなたの現実を作らせてはいけない。あなたの現実はあなたが自分で作りなさい。

10代の音楽家が知っておきたいこと、についてまとめてみました。あなたがこれからの人生で、迷子にならないために、光を見失わないように、そしてどんなときでも、自分の人生の主導権を他人に譲ることなく、自分の足で歩んでいけるように、そんな願いを込めて書きました。

ロールモデルを見つけて模倣をしよう

まずあなたに必要なことは、あなたにとってのロールモデルを見つけて模倣をすることです。

ロールモデル、ってどんな人のことを言うのでしょう?
それはあなたが『こんな音楽家になりたいな。』と心から思える、あなたのお手本になるような人のことです。
ここで覚えておいて欲しいことは、10代のあなたにとってロールモデルを見つけることは決して簡単なことではありません。

特に周りの大人たちの中からロールモデルを探すことは難しいでしょう。

なぜなら、周りの大人たち(特に先生)はいつもあなたに対して正直であるとは限らないからです。あなたが才能にあふれていればいるほど、あなたに正直でいてくれる大人を探すのはより難しくなります。

天真爛漫に健やかに育っていくあなたを、自分のエゴで、思い通りに従わせたいと思う先生もいるでしょう。あなたの若さや才能に嫉妬する大人(先生たち)もいるでしょう。

信じられないかもしれないけれど、そういう大人たち(先生)は実際に多くいます。

そんな状況の中で、ロールモデルを見つける手がかりとは、その人がいかに人として素晴らしいかではなく、その人の音楽がどのように構築されているかを見ていくことです。

良い音楽とは、美しくあることはもちろんのこと、論理的に構築された音楽のことを言います。表情やモーションで見せびらかすような演奏ではなく、意味を持って語りかけてくるようなサウンドがそこにはあります。

 

あなたがもし幸運にもロールモデルを見つけることができたら、その人を模倣してみましょう。

 

模倣することは悪いことではありません。なぜなら、模倣は私たちにとって自然なリアクション(反応)だからです。模倣することは、人間本来の優れた能力です。

 

そして覚えておいて欲しいことは、あなたがその人を模倣することは10代のあなただからこそ有効なことで、ある一定期間だけに限られたものだということです。

ロールモデルを模倣して、彼らの音楽的に素晴らしいと思う要素をバケツ一杯になるまで詰め込んだら、次はあなたが一から、あなた自身のバケツを、自らの力で一杯に満たしていく作業に移らなくてはいけないからです。

 

自分の中のテーストを磨いていこう

音楽家にとって、自分の中のテーストを日々磨いていく、ということはとても大事なことです。

それはあなたが今10代のうちから始めなくてはいけないことです。

テーストを磨くとはどういうこと?

美しいサウンドとは、美しいフレージングとは、美しく構築された音楽とは、それら全てを見極められる、そして味わうことのできるセンスや感性を磨くことです。

つまり審美眼を磨いていく、ということでもあります。

 

どうやってテーストを磨いていくの?

テーストを磨くための特別な方法はありません。これをすればテーストが磨ける、というものでもありません。人によってテーストの磨き方はそれぞれです。

テーストとは感性を養っていくことで磨かれていくものでもあります。

感性=物事に感じる能力。感受性。感覚。心に深く感じること。

  • いろいろな人を観察したり、人と対話をすること
  • 自然を肌で感じること
  • 良い映画を観ること、本を読むこと
  • 素晴らしい偉大な音楽家の演奏や、録音を聴くこと(これは一番効果的です。)

これらの普段の生活の中からでも、感性は養われるでしょう。

 

また自分の感覚を研ぎ澄ませておくことも大事なことです。

本当に様々な要素が絡みあって、テーストというのは磨かれていくものなのです。

 

良いテーストとはどういうもの?

良いテーストとは、美しいということはもちろん、ロジカルである(論理的である)、ということが大事な要素です。

ただあなたの主観でそれを美しいと思うだけではダメで、その美しさは音楽のスタイルにマッチしていなければいけません。

ここで大事なことは、クラシック音楽は、あなた自身を表現するためのものではありません。つまりあなたの素晴らしさを見せるためのものではありません。

あなたをいかに見せるかではなく、テーストを磨き、より良い音楽を演奏するための方法を学んでいくことが大事なことです。

 

あなた自身を機能させるためのメカニズムを学ぼう

これは10代のあなたに限らず、音楽家が永遠に取り組んでいかなくてはならない大事なテーマでもあります。
機能するためのメカニズムってどんなもの?

あなたの体と精神(思考、理性、知性)を全てひとまとめにして、機能させるための仕組みのことを言います。

わかりやすい例を挙げてみますね。まず、家を想像してみてください。

その家は外から見ると、外装は美しく、頑丈に見えます。玄関や窓もバランスよく配置されています。南向きのとても日当たりの良い家です。

けれども、家の外装が美しく施されているにも関わらず、その家の内装が、趣味の悪い色の壁だったり、センスの悪いインテリアが並んでいたり、配線はぐちゃぐちゃでとても使いづらく、居心地の悪い家だったらどうですか?

つまり、外装だけでなく、内装も、同じように大事である、ということです。良い外装と良い内装の両方が揃って、初めて良い家、と言えるのです。私たちも同様に、演奏のテクニックだけではなく、その精神(思考、理性、知性)も共に磨いていかなくてはいけません。

 

実際には、このことに気づけない音楽家がいっぱいいます。

音楽家の中には、超絶技巧のような難しそうに聴こえる速いパッセージ ばかりを練習しているのに、シンプルなロングトーンを美しく演奏することのできない人が多くいます。

テクニックはあっても、音楽家としての心掛け、心構え、精神が欠けている人も多くいます。

それでは、決して良い音楽家とは言えませんね。

 

私たちの心や体、精神は全てひとつで繋がっている、という意識持って、それら全てを正しく使い、育んでいく、という姿勢がとても大切なことです。

 

ではどうやってメカニズムを学ぶの?

メカニズムを、自分一人で学ぶことはとても困難なことです。良い指導者から1:1で学ぶ必要があります。

ここで問題なのは、どうやったら良い指導者に出会えるか?ということです。

残念ながら、体と精神を全てまとめて、あなた全体を正しく使う方法を指導できる先生は、ごく稀にいる程度です。

けれども、今後あなたが良い指導者に出会っていくためのヒントになるかもしれないことを、次の章に書いていきますね。

自分のなかに判断力を養おう

自分が誰かに言われたことに従うだけのロボットのようにならないようにしましょう。

先生や目上の人たちに言われたことに従うのは当然のことだ、と思うかもしれません。

けれど、多くの人々は、言われたことに従い続けた結果、ある日突然、壁にぶち当たってはじめて、ことの深刻さに気づくのです。

自分を完全に見失ってしまった状態のことです。

 

そうならないためには、自分の中で判断力を養っていくことです。

ではどうやったら判断力を養えるの?

自分で自分にいっぱい質問することです。

 

たとえば、

この先生は私に正しいことを教えてくれている?

素晴らしい経歴や肩書きがあるからといってその先生が良い先生とは限りません。

私はこの先生から学んでいる?

私は上達してる?

もし、上達してないんだとしたら、なにが問題?

そしてその次には、

その問題はなぜ起こっているの?原因は?

これを批判的思考と言います。

その問題を解決するためにはどうしたらいいの?

これを選択的思考と言います。
こんな風に事あるごとに、自分に問い続ける事です。

批判的思考=証拠に基づく論理的で偏りのない思考。 自分の思考過程を意識的に吟味する省察的で熟慮的思考。

選択的思考=自分に起きている問題に対して、「その問題を解決するためには何が必要か?」を考え、問題解決以外のことには取り組まないという選択をすること。

 

すぐに答えは出なくても、これらの批判的思考選択的思考を持ち続ける事が、あなたを正しい道へと導いてくれるでしょう。そしてその正しい道とは、あなたにとって納得できる、満足できる道なはずです。

 

また、これらの質問を親にするのは間違っています。あなたの親はあなたのやろうとしていることについて何も知りません。親は最悪なアドバイザーです。自分にないものを子供に求める親はとても多いです。

けれど、親に反発する必要はありません。親の言うことは聞くだけ聞いておきましょう。でも大事なことは、自分への質問を止めないことです。

歴史を学ぼう

音楽史を学びましょう。

音楽史はどうやって学ぶのが良い?
偉大な音楽家や、作曲家について書かれた本を読みましょう。
どんな本かというと、例えば、
  • モーツァルトについて、ベートーベンについて書かれた本
彼らが残した手紙を是非読みましょう。家族、友人らに宛てた手紙は、今でいうメールのようなものです。彼らの人間味溢れる苦悩や喜びが書かれています。
  • ルビンシュタインやネイガウスなどの偉大なピアニストについて書かれた本
  • 偉大なバイオリニスト、オペラ歌手など、自分の専攻以外の演奏家について書かれた本

などを読むことはとても有意義なことです。

そしてこれらの情報は、人から与えられるのではなく、自分で得るようにしましょう。

 

実際に作曲された時代背景や、当時の人々の趣向に触れることで、遠い昔の、遠い国の音楽だと思っていたクラッシック音楽が、より等身大に感じられることでしょう。

また、作曲家たちの人間性を知り、『あ〜、彼らも私たちと同じようなことで笑ったり、泣いたりしてたんだな。』という風に感じることができたら、若い10代のあなたたちが描くクラッシック音楽というビジョンも大きく変わるはずです。

そして、これらのことは学校では学べない事です。

クラッシック音楽は私たちと同じ、人間が生み出したものです。神様が作ったものではありません。

 

最後に

周りの環境や周りの人に、あなたの現実を作らせてはいけません。あなたの現実はあなたが自分で作るものです。

 

まだ10代のあなたが、自分で考え、選択し、自分の現実を作ろうとしたとき、直接的ではなくても、暗にあなたのみちを邪魔してくる人がいるかもしれません。

 

けれど、あなたはそれに屈することなく、内面を強く持つことが大切です。

あなたの心はあなたが思う以上に多くのことを知っています。

あなたがあなた自身を導ける人であることがとても大事なことです。

世の中にどう見られるかを考えるのではなく、自分の心に従って、恐れることなく歩んでいって欲しいと思います。

 

 

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